年末調整と確定申告の違い|どちらが必要?手続きをわかりやすく解説
※2026年5月現在の情報です。最新の制度・税率は国税庁の公式サイトをご確認ください。
「年末調整って、結局なんのためにやってるの?」「私の場合、確定申告も必要なの?」と感じたことはありませんか??
会社員の方は毎年11〜12月になると、勤務先から「年末調整の書類を提出してください」と言われますよね。でも、年末調整と確定申告のちがいや、自分はどっちが必要なのかがよく分からないまま、なんとなく手続きしている方も多いはずです。
実は、この2つを正しく理解できると「払いすぎている税金を取り戻せる」ケースがたくさんあります。医療費・ふるさと納税・住宅ローンなど、知らないだけで毎年数万円を損している人も少なくありません。
この記事では、年末調整と確定申告のちがいを、はじめての方でもサクッと理解できるように、ステップごとにやさしく解説していきます。
📌 年末調整と確定申告のシンプルな違い
📌 自分はどちらが必要かひと目でわかる判定フロー
📌 「確定申告した方がトクになる」5つのケースと還付額の目安
📌 はじめての確定申告の進め方 4ステップ
📌 年末調整の書類の書き方ざっくりガイド
年末調整と確定申告ってどう違う?

まずは結論から。2つの違いをひと目で確認しましょう。
| 項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 誰がやる? | 勤務先(会社) | 自分 |
| いつ? | 毎年11〜12月 | 翌年2/16〜3/15 |
| 対象 | 会社員・公務員など | 自営業・副業・控除がある人 |
| 提出先 | 勤務先(会社経由で税務署) | 税務署(e-Taxや郵送など) |
| カバー範囲 | 給与のみ・基本控除 | すべての所得・控除 |
ほとんどの会社員は年末調整だけで完結します。それ以外の方や、医療費控除などの特別な控除がある方が確定申告をするイメージです。とはいえ、「自分は年末調整だけで終わる人なのか、確定申告もした方が得な人なのか」は意外と判断が難しいもの。次の章から、それぞれの中身をくわしく見ていきましょう。
年末調整とは?仕組みと対象者
年末調整とは、給与所得者の1年間の所得税を、勤務先が代わりに計算し直して精算する手続きです。
毎月のお給料からは所得税が天引き(源泉徴収)されていますが、この金額はあくまで「ざっくりとした見積もり」。年末に正確な金額で計算し直して、払いすぎていれば還付、足りなければ徴収する。これが年末調整の役割です☝️
12月の給料明細を見ると、いつもより手取りが多い月がありますよね。あれが「年末調整で還付された金額」が反映されている月のことが多いです。
年末調整の対象者:
- 1年以上勤務している給与所得者
- 12月時点で在籍している人(年の途中で退職した方は対象外)
年末調整で対応できる主な控除:
- 基礎控除・配偶者控除・扶養控除
- 社会保険料控除(健康保険・厚生年金など)
- 生命保険料控除・地震保険料控除
- iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)
- 住宅ローン控除(2年目以降)
👉️所得税の計算ステップそのものは、所得税・住民税の仕組みを会社員向けに超入門解説で詳しく解説しています。
年末調整の書類はこの3種類!ざっくり書き方ガイド
会社から渡される年末調整の書類は、主に次の3つです。それぞれ「どんな情報を伝える紙なのか」を理解すれば、書き方で迷うことが減ります。
① 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
扶養している家族の情報を会社に伝える書類。配偶者や子ども・親などを養っている場合に名前・生年月日・年収見込みを記入します。独身で扶養家族がいない場合も、住所・氏名・押印(または署名)だけは必ず提出が必要です。
② 給与所得者の保険料控除申告書
1年間に支払った生命保険料・地震保険料・iDeCoの掛金などを記入します。保険会社から10月ごろ届く「控除証明書」をそのまま見ながら金額を書けばOK。控除証明書は原本提出(または電子データ)が必要なので、なくさず保管しておきましょう。
③ 給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
名前は長いですが、要は「あなた自身の所得」と「配偶者の所得」を申告する書類。2025年12月施行の改正で基礎控除は大きく見直され、合計所得132万円以下なら最大95万円、それを超えると段階的に減額されます(国税庁 No.1199)。配偶者控除は引き続き最大38万円ですが、配偶者の所得要件が58万円以下(給与のみなら年収123万円以下)に引き上げられました(国税庁 No.1191)。
確定申告とは?仕組みと対象者
確定申告とは、1年間の所得と税額を、自分で計算して税務署に報告する手続きです。期間は毎年2月16日〜3月15日(土日でズレることあり)。
確定申告が必要な人(主なケース):
- 自営業・フリーランス
- 副業・不動産所得が年20万円超の給与所得者(※20万円以下でも住民税の申告は別途必要)
- 給与収入が年2,000万円を超える人
- 2か所以上から給与をもらい、サブの会社で年末調整していない人
- 公的年金で一定額を超える人
- 株や暗号資産で利益が出て、特定口座(源泉あり)以外で取引していた人
👉️副業の20万円ルールについては、副業の確定申告は必要?20万円ルールと手続きの流れで詳しく解説しています。
あなたはどっち?1分判定フローチャート

下の流れに沿ってYES/NOで答えるだけで、自分に必要な手続きが分かります。
✅ YES → 次のQ2へ
❌ NO → 次のQ3へ
❌ NO → 次のQ4へ(※20万円以下でも住民税の申告は必要)
❌ NO → 年末調整だけでOK!
年末調整しても「確定申告した方がトク」な5つのケース
年末調整で完結する会社員でも、次のケースに当てはまるなら自分で確定申告するとお金が戻ってきます。それぞれ「いくら戻る目安」も合わせて見ていきましょう。
還付目安:医療費20万円・年収500万円なら所得税+住民税で約2万円戻る。
還付目安:寄付額から2,000円を引いた金額が全額戻る/差し引かれる。
還付目安:年末ローン残高の0.7%(最大10〜13年間)。3,000万円借りていれば年21万円が戻る計算。
確定申告のやり方 4ステップ
源泉徴収票・控除証明書・マイナンバー・通帳など。医療費控除なら医療費の領収書(家族分含む)、ふるさと納税なら寄附金受領証明書を準備。STEP 2:申告書を作成
国税庁の確定申告書等作成コーナーで画面に沿って入力するだけでOK。源泉徴収票の数字を写すだけなので、慣れれば30分〜1時間で完了。
STEP 3:提出
e-Tax(電子申告)が最もカンタン。マイナンバーカードがあればスマホで完結。郵送・税務署窓口でも可。
STEP 4:納税 or 還付
還付の場合は1〜2か月で指定口座に振込。納税はクレカ・コンビニ・口座振替などから選べる。
クラウド会計サービスを使えばもっとカンタンに済みます。👉️マネーフォワード クラウド確定申告の使い方はこちらから、どうぞ。
還付金はいくら戻る?目安シミュレーション

「実際にどれくらい税金が戻ってくるの?」という質問はとても多いです。代表的なケースで目安を整理しました。
| 控除の種類 | 条件例 | 還付額の目安 |
|---|---|---|
| 医療費控除 | 医療費20万円・年収500万円 | 約20,000円 |
| ふるさと納税 | 年収500万円で6万円寄附 | 約58,000円(実質2,000円負担) |
| 住宅ローン控除(初年度) | 借入残高3,000万円 | 約210,000円(年) |
| セルフメディケーション税制 | 対象薬の購入額3万円 | 約2,000〜4,000円 |
ふるさと納税の還付額は「現金で銀行口座に振り込まれる」のは所得税の還付分のみで、大部分は翌年6月以降の住民税が減額される形で還元されます。「6万円寄附で実質2,000円の自己負担」が本当の意味で、医療費控除や住宅ローン控除のように手元に現金が戻ってくるわけではありません。
医療費控除の特例で、対象のスイッチOTC医薬品(市販薬で対象マークがあるもの)を年12,000円超購入し、健康診断やワクチン接種などの一定の取り組みをした人は、購入額-12,000円(上限88,000円)を所得控除できます。医療費控除との併用は不可のため、医療費が10万円に届かない年に検討するのがおすすめ。期限は2026年12月31日まで(国税庁 No.1129)。
よくある質問Q&A
Q. 確定申告したら住民税も再計算される?
A. はい。所得税で申告した内容が翌年の住民税に自動で連携されます。住民税は申告した年の翌年6月から1年間かけて納付(または天引き)されます。
Q. 確定申告すると副業がサラリーマンの会社にバレる?
A. 副業が「事業所得」「雑所得」「不動産所得」の場合は、確定申告書の第二表で住民税を「自分で納付(普通徴収)」にチェックすれば、副業分の住民税は会社経由で天引きされません。ただし副業がアルバイト等の「給与所得」の場合は、原則として本業と合算して特別徴収されるため、住民税額の変動から気づかれる可能性があります。また、自治体によって対応が異なる場合もあるので、お住まいの市区町村でご確認ください。
Q. 過去の年末調整で漏れた控除も取り戻せる?
A. はい。「還付申告」として過去5年間さかのぼって申告可能です。確定申告期間外でもいつでも提出できるので、「あの年に医療費たくさん使ったな……」と気づいたら、すぐに申告しましょう。
Q. e-Taxとマイナポータルって何が違う?
A. e-Tax=申告システム、マイナポータル=マイナンバーカードで使う行政手続きサイト。連携すると控除証明書を自動取得できます。マイナンバーカードがなくても、税務署で発行する「ID・パスワード方式」でもe-Taxは利用可能です。
Q. 確定申告って税理士に頼んだ方がいい?
A. 給与所得+シンプルな控除(医療費・ふるさと納税・住宅ローンなど)だけなら、自分でe-Taxを使えば十分です。自営業で売上規模が大きい場合や、不動産所得・事業承継などの複雑なケースでは税理士に相談するのも有効です。
- 会社員 → 基本は年末調整だけでOK
- 年収2,000万超/副業20万円超 → 確定申告必須
- 医療費(10万 or 所得5%)超/ふるさと納税6か所超/初年度住宅ローン → 確定申告でトク
- e-Taxならスマホ+マイナンバーカードで完結
- 還付は申告から1〜2か月で口座振込
- 過去5年分までさかのぼって還付申告できる
まとめ
「年末調整=会社員のためのまとめ精算」、「確定申告=自分でやる税金まとめ」。
この2つを区別できれば、もう税金まわりで迷うことはありません。
ほとんどの会社員は年末調整だけで完結しますが、医療費・ふるさと納税・住宅ローンなどがある方は、確定申告するとお金が戻ってくるケースが意外と多いです。「自分には関係ない」とスルーせず、ぜひチェックしてみてくださいね。
確定申告は1度経験すれば「思ってたよりカンタン」と感じる方がほとんど。今年はぜひe-Taxからチャレンジしてみましょう。
「年末調整」と「確定申告」は、なんとな〜く似ておるが違うものじゃ。会社員にとって、年末調整は会社が代わりにやってくれる「ありがたい仕組み」じゃが、すべてカバーしてくれるわけではない。
医療費・ふるさと納税・住宅ローンの初年度など、自分で動かないと損するケースは意外と多い。確定申告は「面倒くさそう」と思って放置していると、実は数万円戻ってくることも珍しくないんじゃよ。
今はe-Taxで、スマホとマイナンバーカードがあればソファに座ったまま申告できる時代じゃ。一度やってみれば「思ってたよりラクじゃん」となるはずじゃから、ぜひこの機会にチャレンジしてみるんじゃぞ。










